問題1 群衆の特性についての記述である、正しいものはどれか?
①群集を構成する一人ひとりに「我れ先に」という極めて強い「自己本位」の本能が先立ち、この本能が秩序のないところに一層混乱を生じさせることとなる
②群集は、秩序付けられた集団で、些細な事案をきっかけにして、集団で予期せぬ行動に発展する場合も多い
③群集は、共通の対象への関心が高まれば、その対象を中心として様々な意見を言い合い、次第に暴徒化していくことがある
④自己を群集から切り離し、悪いことをしているのは群集であり、それを扇動している者であり自分は冷静に判断していると意識する
⑤群集の中に身を置く個人は、意識の範囲が広くなり、外部からの影響に対する抵抗が強くなる
答え) ①
問題2、雑踏警備業務実施の基本原則についての記述である、誤りはどれか?
①警備員は、他人の権利及び自由を侵害してはならない
②例外として警備員が、現行犯逮捕した犯人の場合、権利を少し侵害してもかまわない
③警備業務と警察活動では、その本質が異なる
④警備員は他人の正当な活動に干渉してはならない
⑤警備員が警備業務実施中に不審な人物を発見した場合は、私人として許される範囲内であれば質問等を行える
答え) ② たとえ相手が犯人であっても、警備員は他人の権利を侵害することはできない
問題3、群集の動線についての記述であるが、誤りはどれか?
①群衆の主動線が交差する場所において混雑が激しくなった場合には、車両における交差点での交通整理と同様に、一方の動線を停止させ、他方の動線を流動させるという整理方法を交互にとる
②過密となるか否かは、動線上及び滞留場所における面積と、そこに集まる群集の数によって算出することができる
③事前の広報にもかかわらず、危険な群集密度に達した場合には、規制が必要な群集の先頭に対してその場で直ちに停止をかけ、前方の歩行動線の密度を上げないようにする
④適正な動線を決定するための検討は、それぞれの場所や区域において、群集を自由に行動させた場合の動線を予想し、その過密となる場所及び過疎となる場所を特定することから始まる
⑤ある場所が危険な群集密度になると予想される場合は、その直前までに群集に対し、ゆっくり進むこと、前の人を押さないこと、前の人との間に間隔を保つことなどの広報を徹底する
答え) ③ 規制が必要な群衆の先頭だけに停止の規制をかけると、その後に続く群衆は先頭が停止していることに気づかず前の人を押すという行動にでる
問題4、花火大会会場における行事等の特徴についての記述であるが、妥当でないものはどれか?
①観客の中には高齢者・子供などの弱者も多く含まれるため、群集密度が過密な状態になると生命の危機も生じてくる
②花火会場周辺には、露店商等が店を出すことも多い。その出店の場所によっては、歩行動線の障害となり、結果として、過密な群集密度を招くこともある
③花火打上げ終了の直後が最も危険な時間帯である
④花火大会は夜間に実施され、短時間のイベントであるため、限られた時間帯に多数の観客が一斉に移動する
⑤河川敷や海岸等で行われる場合も多く、暗くて足元が見えず、階段や傾斜のあることも多いため、より危険な状態が予想される
答え) ③ 花火打ち上げの直前も、直後も危険である
問題5、事故発生時の初動処置要領についての記述、誤りはどれか?
①現場に向かう群衆に、前方で雑踏事故が発生している事を広報し、前進することを止めさせ、適時、後退又は迂回させる
②応援の警備員等と協力し、現場に向かう群衆を制止し、過密状態となった現場にいる群衆の分散、解散等の措置を行う
③群衆内で負傷者が発生した場合は、警備隊本部へ報告するとともに、負傷の程度にかかわらず、その場で応急処置を行う
④雑踏事故の発生時には、当該現場にいる群衆に対して幼児、高齢者等の非力な人々の保護を呼び掛け、周囲の人を押さないよう広報する
⑤雑踏事故の現場で事故が発生した場合には、その初動段階で適切な対応を行う事によって、その後の被害を大きく軽減させることができる
答え) ③ 付近にいる人に協力を求め、負傷者の周囲に空間をつくって安全を図るとともに、負傷者を安全な場所まで搬送すべきである
問題6、 救急蘇生法に関する記述であ るが、妥当でないものはどれか?
①混雑している場所で負傷者が発生した場合には、まず、安全な場所へ移動する
②反応の確認は、負傷者の耳元で名前を呼んだり、軽く肩を叩いたりして確認する
③呼吸停止の負傷者を10分間放置すると、死亡率が約50パーセントになる
④止血の方法には、「間接圧迫法」と「直接圧迫法」とがあり、止血は、止血点を指で圧迫して止血する間接圧迫法を原則とする
⑤大出血の負傷者をそのままにしておくと、数分で失血死または出血性ショック死を招くことになる
答え) ④ 直接圧迫法が基本である