高齢者を狙う詐欺は、年々「静かに」「巧妙に」進化しています。
その多くは、警察や家族が気づく前に接触し、
“心理”と“生活の隙”を利用して近づいてきます。
私は現役警備員として13年間、多くの現場に立ち、
工事現場・商店街・住宅街・駅前で
「危ない場面」「声をかけられやすい場所」
を日々見てきました。
その経験から、
詐欺に巻き込まれる前に現れる“共通のサイン” と
最近増えている手口 をまとめます。
ご家族・地域の見守り役として
ぜひ覚えておいてください。
◆【1. 最新の詐欺は「電話」から「生活の中」へ】
昔は電話が中心でしたが、
現在は生活の“すき間”に入り込む手口が増えています。
● 最新のよくある手口
- 偽の宅配業者
- 電気・ガス・水道の「点検を装う」訪問
- 銀行や役所を名乗るSMS
- AI音声で家族の声を再現
- スマホの“写真フォルダ”を狙う詐欺
- 偽の防犯・警備業者の営業
特に「点検を装う訪問」は、
工事現場や住宅街に紛れていても不自然ではないため、
危険性が高いと感じています。
◆【2. 現場で感じる“危ないサイン”】
13年間の警備経験で、
「この人は狙われやすい…」という瞬間が何度もありました。
◆① “困っている顔” をして歩いている
道に迷っている
荷物が多い
急いでいる
スマホを見ながら困っている
→ 話しかけられやすい。悪質な人はここを狙う。
◆② 「自分の情報」を口にしてしまう
例)
「息子が最近来なくて」
「年金だけだから」
「スマホがよくわからなくて」
→ 詐欺師は、日常会話の中から“弱点”を拾う。
◆③ 見知らぬ人に礼儀正しく接しすぎる
シニアは優しく話を聞いてしまう。
→ 詐欺師は「この人は断れない」と判断する。
◆④ 晴れの日に、家の窓が開けっぱなし
→ 下見をしている詐欺師はここをチェックする。
◆⑤ スマホの通知をよく見ていない
→ 偽のSMS(宅配・銀行)が通りやすい。
◆【3. 増えている“詐欺の現場タイプ”】
◆① 偽の“宅配業者”
・「不在票を入れておきました」
・「荷物を預かっています」
→ 玄関を開けた瞬間に契約書や個人情報を取られる。
制服風のベストを着ていることが多く、
一見見分けにくいのが特徴です。
◆② 電気・ガスの“点検業者”
工事現場近くの住宅街に紛れ込みやすい。
「点検に来ました」
と言われると、多くの高齢者は疑わない。
◆③ 偽“銀行”のSMS
- パスワード更新
- 不審ログイン
- カード再発行
→ すべて偽物。
リンクを開くと口座が乗っ取られる。
◆④ “家族の声”を真似るAI電話
「声がそっくり」
「泣いているように聞こえる」
→ AI音声を使えば簡単に再現可能。
これは今後さらに増えると考えます。
◆【4. 今すぐできる3つの防犯対策】
◆① 玄関に「訪問販売お断り」の表示
詐欺師は“入りやすい家”を選ぶ。
◆② 家族で“合言葉”を決めておく
例)
「いま何食べたい?」
「昨日の晩ごはんは?」
→ AI声真似対策。
◆③ スマホの「通知」を必ず見る
不正リンクは必ず表示に特徴がある。
(ひらがな・英語・別アドレスなど)
◆【5. 最後に:大切なのは“気づく力”】
詐欺は、
スマホの操作能力より、
「あれ? なんか変だな」と気づける力 が大切です。
その気づきを支えるのが
地域の目・大人の見守り・安全の感覚です。
私は13年の警備経験から、
「日常の小さな違和感こそが防犯の第一歩」
だと実感しています。
地域の誰かが気づけば、
詐欺の多くは防ぐことができます。
◆【この記事を書いた人】
是永和夫(これながかずお)
警備大学校(Web校)代表
73歳|現役警備員歴13年
警備ロボット「ロボダン」開発・特許申請中
全国向けに「警備技術士三級、二級、一級」講座を2026年初頭 実施予定
